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2010年9月 3日 (金)

設備の紹介をしよう!

アマチュア無線の交信をしたとき、交信成立となるように、相互のコールサインの確認、RS レポート、そして QTH あたりを確認したりします。あとは QSL カードの交換をどうするか、あたりが定型話題かと思いますが、私はさらにもう一つ、必ずといっていいほど交換して欲しい情報があります。それは 「無線設備の紹介」 です。

以前は比較的、何も言わなくても無線設備の紹介をしてくれる方がいました。例えば 「当方、リグは FT-736 20W で、アンテナは地上高20mの 15エレスタックのウェーブハンターを使っています」 とか 「FT-728 ハンディで付属のアンテナで室内から出ています」みたいな。そんなのどうでもいいよ、と思う方もいるのかもしれませんが、私としては是非欲しい情報です。

なぜなら、それによって、今こちらが受信している信号の状態の説明をつけられるかもしれないからです。例えば 「あんなに遠いけどこんなに強いのは 25 エレの 4 パラ 3 段だからなのねw」 とか 「近くなのに弱いのは 1W だからか~」 とか 「フェージングがあると思ったら、手持ちのハンディだから動くのねw」 とか色々です。

単に 「59」 だけでは、なぜそうなのか、納得がいきません。似たような住所から片方は 51 片方は59、なぜそうなるのか、理由が知りたいところです。裏を返せば、単に 59 というだけではあまり有用な情報とはならないのです。どんな設備を使ってどんな環境から波を出しているか、わかった上で 59 に意味がある気がします。

それによって、あぁ、地上高がこれだけ違うだけでこんなにも差が出るのかな、とか、出力は倍なのにあまり差がないな~とか、色々実感することができますし、そういう情報があってこそ、RS レポートの数値が活きてくると言うものです。

先述のように、以前は比較的大抵の方が、ある程度の設備紹介はしてくれました。送信出力だけの方もいれば、リグの機種やその修理箇所と調子、同軸の痛み具 合まで詳細に語られる方もいましたw 思い出を語られても困りますが、詳細な情報があればあるだけ、どんなところから波を出しているのか想像しやすく、有用です。

もっとも、紹介をするのも面倒といえば面倒です。なので、どの情報がもっとも有用か、という事をちょっと考えてみたいと思います。

1. アンテナ
これがやっぱり需要です。アンテナの形式、規模(エレメント数、スタック数など)、指向性があるなら、向けている方角です。
2. アンテナの設置形態
例えば、50m のタワーのてっぺんとか、軒下に GP をつけているとかです。アンテナと、その設置形態は、セットで最も欲しい情報だったりします。
3. 送信出力
これもセットと言えばセットですね。アンテナ、設置環境、送信出力、このセットが大きな影響を与えるのでこの 3 点セットをお知らせいただけると、とても有用です。
4. ロケ
3点セットの次に欲しい情報です。重要なので4点セットにして欲しいところですがさすがに面倒になりかねないので割愛するなら、ロケでしょうか。ただし、移動運用なんかで山にいるときは必須になりますがw 高台ですよ、とか窪地ですよ、といった情報です。
5. リグ
実はこれはあまり必要ではなく、どちらかというと話題のひとつにしかなりません。同じリグだったり、あこがれのリグを使っているとワクワクしますが、伝搬 状況には基本的に関係有りませんので、乗っている車、と同じような感じですね。最高級機を使っていると、さすが綺麗な変調…?

と、だいたいこんな順序になると思います。できれば 4 点セットで欲しいですね。別に、私は詳細に情報を分析しているわけでも、何かを解析しているわけでもありません。ログに入力すらしないこともあります。た だ、自分が受けている信号が、なぜこの RS なのか実感できるのは、無線交信において楽しいものです。その時一瞬、高台だから強いんだ~、なんて思うだけでも充分なのです。

ところが、最近はあまり紹介する人がいなくなり、紹介している場面をワッチすることも減りました。理由はなんでしょう…例によって個人情報?w さすがにそれはないと思いますが、中にはタワーの規模やアンテナをいうと、近くに来たときに自宅を特定されるから嫌だ、と思う方もいるかもしれません。特 定されると何か困るのか、というのが甚だ疑問ですが。

一番の理由は 「自慢していると思われたくないから」 的な感じで、訊かれなければ自分から言わない、というのがありそうです。特に、ある程度の設備を持っている場合は、タワーの高さや高級機のリグを紹介する と 「またこの人自慢?!」 なんて思われそうなので、謙虚に、という気分で自分からは言わないパターン。

でも実際には、単に設備を淡々と説明するだけなら自慢でも何でもありません。アップグレードした場合もその変化を普通に語るだけなら自慢になりません。逆 に、その豪華な設備を聞いて、自分と比較して劣等感を持つ必要もありません。いいな~、と思うこともありますが、人それぞれ環境が違うのは当然。

豪華な設備からハンディ一台まで、いろいろな環境に応じていろいろな形態で運用するのもアマチュア無線の楽しみ。前は豪華設備だったけど、今は引っ越して ハンディだけになりました、という人もいれば、大きな設備が持てるようになったのでタワーを建てました、という人もいるでしょうし、タワー建てようと思え ば立てられるけどハンディだけ、という人もいるでしょう。肩肘張らずに自分の自然体で楽しめばいいのです。

それによって上下関係が出てくる物では無く、人によってそれぞれのスタイルで運用して楽しめるのが、アマチュア無線です。実際、よほど変な人でない限り、 ハンディ一台の小規模運用をあざ笑う人なんていませんし、呼ばれた相手がハンディ一台でも 「なーんだ、ハンディしかないの?」 なんて小馬鹿にすることはありません。なので、小規模設備でも恥じる必要はありません。設備規模にかかわらず堂々と設備紹介をして欲しいです。

また、別の問題もあります。それは 「設備紹介なんてして欲しくない」 という人の存在。確かにそれはそれで、自由ですが、そういう人がいると思うと、ウザいと思われたくないので自分からはしない、なんていう人が出てきます。 このあたりは、設備紹介しないといけない義務はないので難しいところです。

一方、して欲しい方からすると、これまた頼みにくいのも事実です。というのも、設備というのは相手のステータス的なプライバシーでもあるからです。もちろ ん、先述のように設備規模や内容による優劣はありませんが、それでも、なぜか劣等感を感じて紹介したくない人がいるかもしれません。そういう場合に、紹介 を依頼するのは失礼に当たるんじゃないか、と思う方もいるようです。

個人的には、これは 「気にしすぎ」 だと思います。日本人の 「察する心」 なのかもしれませんが、それが距離を産んでしまい、有用な情報交換ができないと思います。そもそもハンディ一台だろうと、壊れかけの旧世界の無線機だろう と気にする必要はありません。そういうので優劣をつけない、それぞれのスタイル全てがひとつの立派な無線局であり、千差万別なのがアマチュア無線の世界で す。

なので、ハンディ一台です、と言ったら、その割りにはよくきてます、と言われることもあれば、やっぱりハンディなので厳しいですね、と言われることもある と思います。それによって、相手の設備も聞いて、自分のハンディがどの程度、どこまで、どんな相手に拾ってもらえるのかを楽しむのも無線の楽しみ方。

特に、私のように技術士ではなく通信士としての楽しみ方がアマチュア無線の楽しみ方のメインの場合には、これがとてもたいせつなのです。ぜひ、恥ずかしがらずに、変な遠慮もせずに、無線設備または無線局の紹介をしてみませんか?

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コメント

はじめまして。業務無線用受信機と移動運用の情報を漁っていてこちらに辿り着いた者です。高校時代は無線部にいました。20年以上前のことですが。
無線をやっていた当時は、ここまで深くは考えておらず、一種のマナーのようなものとしてRS交換、リグ/アンテナの紹介をしていました。
今から思うと、「交信の際、(設備紹介のような)定型的な内容を入れるのが常識」のような考え方は、一見窮屈なようでいて、実は私みたいな話題の少ない奴には都合がよかったと思います。気が合いそうな相手なら会話を広げるためのとっかかりとしてこれらの話題が使えますし、気が合いそうに無い相手でも、なんというか会話のキリをつけやすいからです。

あと、アマ無線局の運用と自身の個人情報保護って、これほど両立しづらいものも無いですよね。固定局であれば、普通に交信していれば苗字、所在地はわかるわけで、人口が少ない地域ならこの情報だけでかなり絞れるし、電話帳やらゼンリン地図やら Street View やら併用すれば、一意的に免許人を特定できることもあるでしょう。特定されたくなければ、移動専門でやることになるのでしょうかね。

投稿: 奪われし味蕾 | 2010年9月 4日 (土) 00時18分

 ハイゲインのアンテナ+ハイパワー=強くて当たり前。そこを電波伝搬のコンディションをうまくつかんだり、アンテナの設置状況を工夫して、「そんな設備でこんなに強いの!」と交信相手をびっくりさせる。これも知識+創意工夫が有効なアマチュア無線の醍醐味でしょう。
バカとはさみは使いよう、ではないですが、モービルホイップ1本でも、「それってホントに?」と思わせる信号を相手に与えることができます。7メガでもね。
 もちろん相手に助けられることもありますよ。私が奈良/三重県境の某山の中腹にハイキングがてら430FM3Wハンドヘルド機を持って上がり、富士5合目の移動局と交信したことがあります。

投稿: ダルコナ | 2010年9月 4日 (土) 23時33分

基本的には、紹介するものだと思ってます。
だから、のんびりやっている時は紹介しています。
免許情報が公開されてから、紹介する人が減ったと言う方も居られますが、どうでしょうか?
私は、技術的興味を持つ方が減っている現状が、紹介する行為をへらしたのかな、と考えてます。

投稿: 瀬戸際の魔術師 | 2010年9月 5日 (日) 21時58分

やっぱり自分の電波が、どういう相手に、どういう感じで捉えられているのか、はたまた自分が受信している電波は、同言うところから発信されているから、こういう状態なのか、というのに興味を持たないのはちょっと不思議です。

人それぞれ楽しみ方は千差万別ですが、設備紹介はできればして欲しいですね。

投稿: ゅぃ | 2010年10月26日 (火) 11時33分

電波の飛びはロケーション、アンテナが一番重要な要素ですね。知りたい情報です。
こちらがCQのときはペースは自分が握っていますから、こちらからリグやアンテナの紹介をしてしまえば、よほど急いでいない限りは相手も合わせて教えてくれます。
先方がCQの局の場合は、先方の望んでいるペースに合わせて同じ情報量で交信するのが良いですね。

投稿: JO1KVS | 2010年10月26日 (火) 23時17分

はじめまして。
興味を引かれる記事なんでおじゃましました。
最近は紹介ってしないもんですか?
私は必ず紹介しています。59カードはビューローが大嫌いなもんで。DXとQSOなんかするとやはり参考にはなりますね。どんなアンテナ、出力、無線機って気になるもんです。
私はモービルからでているのが多いんですがこちらの設備を紹介すると大抵コングラチュレーションって言われます。ペディションだけはぺつになりますが。

投稿: jf3rde | 2010年10月27日 (水) 23時53分

グランド・ウエーブ(HFを含む)でQSOしているときにはそれでいいと思います
話を引き伸ばすための話題?でもありますし

しかし、DXやQSBが伴うパイルのときにはコールとレポートだけQSOが原則ですね。
まあ、通常のQSOではそんな心配はないでしょうがw

V/UHFでもEスポが出たりするとその辺はシビアです
ヘボなオペレートしていると・・・・!????ww

投稿: maeda | 2011年11月28日 (月) 14時43分

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