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2008年10月21日 (火)

VX-8 がやってきた ~楽しい青歯機能が…

運用準備が整った VX-8。電子申請で 144MHz の F3E、F2D を追加をすることにします。今申請してもどうせ開かれるのは朝だと思うので、寝る前に申請することにして、次は VX-8 の重大機能の一つである Bluetooth 機能を試します。

先ほどペアリングは済ませてあるので、ラジオを受信しながら、空線スケルチのかかった鉄道無線を A に、アナログの APRS を B に設定して標準ホイップアンテナを接続した状態にします。Bluetooth イヤフォンの電源を入れれば自動的に VX-8 とつながります。便利です。

…が…あれ? 音声が規則正しく途切れ途切れ。例えば

「おなかがすいてもねむいものはねむいんです」

というお喋りがあるとしたら

「おなxxすいxxねむxxのはxxいんxx」

みたいな感じで。おかしいな~、と思い、一度イヤフォン側の電源を切り、再投入。すると…今度は無事、しっかり聞こえます。音質も悪くありません。なかなかです。面白いのは、A の受信音と B の受信音は、それぞれ、右のイヤフォンからと、左のイヤフォンからに聞こえます。ラジオはもちろん、ステレオで聞こえます。

これで、とりあえず週末お外に出る際に腰に付けるかバックパックにでも放り込んでおけば、あとは Bluetooth イヤフォンで J-WAVE を聞きながら常に鉄道無線で交通情報に気を配ったり、430MHz を聞きながら CQ 出してる人を待ったり、知人から呼ばれるのを待ったりでき、同時に、ずっとアナログの APRS で位置情報を送出できます。特にこの使い方は、電車通勤の知人が待望していたので、毎日活用してくれそうです。

さて、この Bluetooth、気になっていたのは 「純正以外でもちゃんと使えるかどうか」 という事です。せっかくの標準の Bluetooth ですから、PC 業界やオーディオ業界では、異機種間接続といいますか、他社の製品だろうと関係なくきちんとつながり、普通に操作ができるのが当たり前です。裏を返せば、そうじゃない製品は世の中に出せません。

ところが…アマチュア無線業界はいまだにシリアルなんかで無線機と接続することが普通の石器時代みたいな所。最近になってようやく USB の接続ができるリグが出てきましたが…経験不足は否めません。そんな中、USB と同じく汎用規格である Bluetooth がアマチュア無線でも採用されたのは嬉しい一方で、この辺の「独自規格排除」 ができるかというのが疑問です。

マイクコネクタすら統一できていない業界ですし、先述の USB の遅れもありますが、それの示すところは同時に、自社純正品の押しつけと自社規格での囲い込み体質です。他の業界では既にそんな事をしていたらダメなのがわかっていてそういう会社はほとんど無くなりましたが、無線業界は先述の通り、進化が遅れています。なので、Bluetooth なんて汎用規格を謳ってくれたのは嬉しいですが、果たしてどこまで、他の業界のように 「標準化」 さてるかが疑問です。

無事ペアリングができたところで、まず最初の大きな関門はくぐり抜けたことになります。実際音声も聞こえるので問題なさそうに見えますが、次は送受信に関してです。まず、送信と受信の操作がイヤフォンのコントローラからできるかどうかが問題です。例えば、携帯電話であればこのコントローラから発着信をしたりできますし、音楽プレイヤーの再生/停止/送り/戻し、音量の変更ができます。これは機種に依存せず、どの機種に対してもできます。

同じ事が、VX-8 にもできるのか…この辺は、以前書いたとおり、無線機と Bluetooth でつなぐこと自体がまだ規格として存在しません。余談ですが、Bluetooth には 「プロファイル」 という物があり、そのプロファイルに準拠しているからこそできる共通化なのです。例えば、HID プロファイルというもので、キーボードやマウスなどをつなげますし、携帯電話なんかではハンズフリープロファイル、オーディオでは A2DP なんていうプロファイル、PHS なんかをモデムとして使う場合、ダイヤルアッププロファイルなどがあり、それぞれが、どういう事をした何が起こるか、どういう通信をするかが定められています。

裏を返せば、プロファイルに定められていない物は、つなげないのです。そういう場合は、プロファイルを新規に標準化で定めて貰うか、既存のプロファイルを流用して何とかするしかありません。無線機は想定されていないので 「トランシーバプロファイル」 なんていうものはありません(たぶん)。でも、たとえば似たような操作をする携帯電話なんかのプロファイルが流用できるかもしれません。

前書いたとおり、携帯電話の「発信」 ボタンが PTT ON、切断ボタンが PTT off、アップキーがメモリまたは周波数アップ、ダウンキーがメモリまたは周波数のダウン、OPT キーがバンド切り替えなどです。イヤフォンから見たら、相手は携帯電話ですが、実際はトランシーバ。音声を送受信しながら操作ができるという所だけが共通ですね。

実際問題、バースタさんとしては 「純正のヘッドセットを使ってください」 という事なのでしょうが、これからの時代、そんな事では生きていけません。私は SONY の DRC-BT15 というのを携帯電話や VX-3 につないだ Bluetooth イヤフォン出力(イヤフォン出力を Bluetooth で飛ばす汎用のアダプタ)につないで使っています。これでいろいろな製品(例えばウォークマン) ともつながるので、気分によって色々な物が使えます。その中に、VX-8 が加わるのは自然なことで、いちいち専用のイヤフォンやワイヤレスユニットを用意するのはセンスがないです。

問い合わせをしても 「わかりません」 とか平気でいうし(TT 他社のどの製品とつながるか保証をしてほしいというわけではなく、どのような操作をしたらどういう風になるかという設計を聞いてるだけなのですが…。もっとも、他社製品であっても 「相手の問題もあるので保証はできませんが、Bluetooth にきちんと準拠してる物であればどんなモデルでもつながります」 と言い切らないといけないはずなんですけどね~。

ちなに昔、SONY さんにウォークマンの Bluetooth 機能は Bluetooth ヘッドフォンが他社のものでもつながるかどうか確認の問い合わせをしたところ
Bluetooth の A2DP プロファイルにきちんと適合している物なら、他社製品でも間違いなくつながります。ただし、各メーカーの技術力や標準規格への適合性が一部欠落している物がないとは言えませんのでそういう場合はつながらない可能性もあります。ただ、それは当社の製品の問題ではなく Bluetooth 規格に準拠できていない製品の問題なので…ご心配であれば、完全に準拠していることを保証できる、当社のヘッドフォンをご使用ください
なんて言われました。さすがです。自社製品純正以外は知らない、という態度の業界とは違いますね…。それでも、独自規格のワイヤレスではなく、Bluetooth にしたバースタさんのセンスはかなり評価してますので、今後の改良に期待したいところです。

とりあえず、VX-8 と DRC-BT15 のような Bluetooth ヘッドセットをつないだときに 「何が起こるか」 を試すために、アンテナをダミーロードにつなぎ替え、Bluetooth でリンクさせて、あちこちボタンを押してみるしかありません。ダミーロードは知人に今日秋葉原で当人の VX-8 を取りに行くついでに買ってきて欲しいと頼んで調達してありますw

まず、音量…これはそもそもヘッドセット側の音量が変わる感じなので、動作して当たり前のようです。次に、送り/戻し(アップダウン)。これはなにもおこりません。次、再生/停止(発信/着信)。これで PTT が ON になれば素敵です…が…何も起こりませんでした。がっくし。

う~ん、やっぱり操作まではできないのでしょうか。そもそも、イヤフォンとしては動作してるけど、マイクとしても動作するのかはわかりません。諦めていたところ、普段使っていないもう一つのボタンがあることに気がつきました。そう、OPR(OPT)ボタン。これは、例えばウォークマンの音楽を聴いてるときに、携帯電話から発信したいときはこれを押して携帯電話に切り替えて発信したりできるものです。

ポチッと押してみると…なんと、A バンド (430MHz FM) の TX LED が赤く点灯しました('∇') どうやら、送信になったようです。そして、もう一度押すと…PTT が解除されました('∇') 素敵です。周波数操作やバンド切り替えなどはできませんが、最低限である送受信の PTT 操作はできるようです。

これができるとできないでは雲泥の差。本体をバックパックや腰につけたままでも、Bluetooth イヤフォンの操作部で PTT 操作ができますから、本体は忘れて交信をすることができるわけです。外から見たら、無線機を使ってるようにはとうてい見えません。PTT は ON になるけど、それを OFF にできない、なんていうこともなく、トグル動作でちゃんと PTT が ON/OFF になります。

あとは、音声がちゃんとマイクに載るかどうかですが…こればっかりはアンテナを接続して電波を出してみないとわかりません。けど、変更申がまだ…。こまったものです。そこでふと思い立ったのが、いくらダミーロードとはいえ、簡易な物なので電波法で免許が必要のない程度の微弱な電波は漏洩するものです。それなら近くにハンディを置いて受信してみればいいかも…。

そこで、すぐ隣に ID-92 を置いて、受信してみます。ちゃんと受信できます。そこで、声を出してみますが、万一お外にひどく漏れていたときに備えて、正規の手順で試験電波っぽくしゃべってみます…が…自分でしゃべって自分の声が聞こえるかどうかなんてわかりません(@@ 音を大きくしてしまうとハウリングの可能性もありますし、こまったものです。

幸いなことに(?)、Bluetooth はほんのわずかなディレイがあります。そのため、自分の声の破片くらいは拾うことができました。しゃべり終わった瞬間や、語と語との間隔を拾い、どうやら何か音が出てることはわかったので、マイクとしてもちゃんと機能してるようです。つまり、これで本当にこのイヤフォンマイクだけで送受信をして交信に使えるわけです。素敵です。

例えば、ラジオを聞きながらフレンドからの呼び出しを待機し、A バンドで 430MHz メイン、 B バンドでアナログ APRS を送出。そしてフレンドからメインで呼ばれたら、そのまま Bluetooth イヤフォンの OPR ボタンを押して PTT を ON にして、お返事できます。

残念ながらサブへの移動は無線機本体でやるしかありませんが、即座に応答して、今から操作するからと言えばそれくらいは待って貰えます。慌てて本体に手をやらなくて良いだけでも大違い。もちろん、サブにうつった後の交信はまた Bluetooth イヤフォンだけで送受信/PTT操作が継続できます。

そんな感じで、とりあえず Bluetooth については満足。特に問題はなさそうです。お出かけするときは腰にでもつけて…と、腰のあたりに VX-8 本体を何気なく持っていきましたが…

ここで問題が発生。なんと、音声が途切れました。あれ? と思って元通り目の前に持ってくると再度音声が流れてきますが、また腰の位置に持ってくると…音声が消えます。腰から微妙に前に持ってくると、途切れ途切れになる場所があります。どうやら、電波が届かないようです。

首からかけるタイプのネックストラップイヤフォンに DRC-BT15 をつけていますので、丁度胸の位置に DRC-BT15 がきます。ここから VX-8 を移動させていき…体の影になるところに来ると、音声が途切れます。すごい! さすが 2.5GHz だけあって電波の進行が直線的。電波の周波数における特性を身をもって実感できました…。

と喜んでいる場合ではなく、これは深刻な問題です。別に 何メートルも離れてるわけではありません。胸の位置にある DRC-BT15 から腰の VX-8 までたかただか 30cm くらいではないでしょうか。この距離で Bluetooth のリンクができないのは、事実上欠陥に等しいです。腰につけるのは普通の使い方だと思うので、別段設計時想定外の特殊な事をしてるわけでもありませんし、そもそも Bluetooth 自体、数メートルの距離で使えなくなること自体あり得ません。

例えば、今 VX-3 のイヤフォン端子に使っている Jabra の A120s という Bluetooth ユニットですが、これと VX-3 をつないだ状態で DRC-BT15 とリンクし、離れていっても 10m くらいまでは何の問題もなく VX-3 から音楽が聞こえます。多少の壁や障害物があっても大丈夫です。さすがに 20m くらい離れると厳しいですが…比較してるのはそんな 「メートル」 オーダーのお話ではなく、「センチ」 オーダーのお話。たかだか 30cm でリンクが切れるのはまずいです。

ただ、純粋に 30cm ではなく、例えば腕をめいっぱい伸ばした状態で VX-8 を持っても音声は問題なく聞けています。もちろん、30cm 以上あるわけで、違いと言えば、障害物があるかないか。腰に持ってくると体が VX-8 と DRC-BT15 の直線距離に割り込む形になり、邪魔になります。けど、それは普通の Bluetooth 器機であれば問題になるものではありません。

う~ん、喜び一転、暗闇に。大きな問題にぶつかってしまいました。これはこまりものです。腰につけないとなると…手でもって歩く? 現実的ではありません。しかも、ひどいことに直線の間に腕などの障害物が入ると、それだけでも音が途切れます。かなり悲惨です。目の前の机の上に置いておいて、Bluetooth で交信するという使い方ならできそうですが、腰につけておいてハンズフリー、という(おそらく一番使われるであろうシチュエーションの)使い方では実用になりません。

もともと、VX-8 は以前のブログで書いたとおり、Bluetooth でリンクできることが大前提です。なぜなら、マイク端子が特殊であり、外付けマイクをつないでもイヤフォンをつなぐことができません。そのため、外で GPS を使いながら CQ 出そうとすると、周囲への迷惑や自分自身の了解度を上げるためにイヤフォンを使いたくても、つなげられないのです。Bluetooth があるので、そもそもケーブルのイヤフォンなんて思ったのですが、肝心の Bluetooth がこれでは、どうしようもありません。

こんな時、自分で組み込んだ Bluetooth ユニットが気になります。取り付け方が悪かったのかなぁ。力が弱すぎた? または強すぎた? 壊れた? もしくは初期不良? またシールをはがしてあれこれやると、今度は他の部分を壊しそうで怖いです。もしくは、壊れてないのに取り外して取り付けて、をやることでコネクタが摩耗して余計な故障を呼び込みそうです。やっぱりプロに頼むべきかもしれません(TT

シールははがすと使えなくなるので、とりあえずは初期不良?ということでメーカーに問い合わせをするしかないのかなぁ。でも、先述の通り 「純正以外は知らない」 なんていう前時代的な対応をされそうです。「BH-1 で試してほしい。それで問題ないなら問題ない」 なんて言われそうで怖いです。

DRC-BT15 の故障という事はありません。今まで携帯電話ともウォークマンとも Jabra の Bluetooth ドングルともも問題なくリンクしていました。もちろん、距離も音質も問題なし。ところが、VX-8 だけ問題有りです。相性という事もあるかもしれませんが…。

他の Bluetooth ヘッドセットを買ってきて試すしかないかもしれません。携帯電話と音楽デバイス両方にリンクできて、かつ、好きなイヤフォンが使える物ってあまりないんですよね~。こまったものです。もっとも、相性で済めばまだ良い方です。設計の問題で、VX-8 の Bluetooth はその程度でしか使えない、なんていうことになったら、VX-8 の新機能のうち重大な部分に場合によっては致命的欠陥を背負うことになるかもしれません。

Bluetooth をお試しになった方、純正以外で使用されてる方がいらっしゃいましたら、是非体験談を教えていただければ助かります。

それにしても、この悪さ、昔々その昔の、Bluetooth の初期の頃を思い出します。メーカーが違うとつながらない、このメーカーとこのメーカーは相性が悪い、ちょっと(1m以内)でも離れたり、テレビの近くに行くとリンクが切れたり音が途切れたりするといったことがあり、Bluetooth という規格そのものの悪評を広めてしまう原因になりました。

今は相性問題はほとんど無く、距離を離れても数メートルで音声が全く聞こえなくなるような物はなくなりました。今でも希に相性問題はあるようで、ペアリングできない物もたまにあるようですが、昔ほどひどくありません。バーテックススタンダードがそのような古い思想で設計したのではなく、たまたま、私の DRC-BT15 とは相性が悪かっただけで、他の Bluetooth ヘッドセットなら、問題なく使える事を祈るばかりです。

(つづく)

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