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2008年8月13日 (水)

VX-8 にたいせつなこと

発売が期待されている、バーテックススタンダードの VX-8 ですが、CQ HamRadio にも新製品予告が掲載されたので、おそらく日本では無事発売されると希望的観測をもっています。いろいろな 「欲しいと思っていた」 機能が搭載されるようで、楽しみです。

ところが、ネット上の情報を含めて、確かに昨日は発表されていますが、その実装は思いのほか 「謎に包まれて」 います。実際自分が使うシーンや機能の組み合わせなんかを妄想してみると、これってどうなのかしら?とか、これって中ったらダメよね、という物がそこそこ出てきます。買ってみてから 「えー(TT」 という事になるかも知れませんが、詳細がわからないベールの状態で、先にダメ出し、買ってから実際どうか比較してみたいと思います。

まず、Bluetooth 機能。私はこれを日常的に使っています。SONY の MP3 プレイヤーや VX-3 につないだ Bluetooth ユニット(音声端子につなぐ物) と、イヤフォンにつないだ Bluetooth レシーバをリンクさせ、さらにそこに携帯電話も Bluetooth でつながっています。これだと、音楽やラジオを聞きながら、携帯に着信があったら割り込みが入って着信音が鳴り、そのまま通話も出来ます。

VX-3 は J-WAVE を聞きながら、電車に乗る時はその路線の鉄道無線を、その他の時は 430MHz メインを VX-3 の割り込み設定にして聴いていたりします。これは、普段ラジオが流れていますが、サブバンドに入感があったときだけ割り込んでその無線に切り替わるもので、便利です。旧来の一定間隔でサブバンドに切り替わり何か受信してないかチェックするタイプはラジオの音声が途切れて聞きづらいのでイマイチですが、これはそういう事が無くかなり快適です。

この VX-3 の機能と合わせると、私は

  • J-WAVE (FMラジオ)
  • 鉄道無線(or 430メイン)
  • 携帯電話

が同時につながっている事になります。これと同じ事が VX-8 でできるかどうかが重要です。VX-3 には Bluetooth 機能がないので、イヤフォン端子に Bluetooth で音声を飛ばすのをつけています。VX-8 では Bluetooth が内蔵できるので、このユニットをつけなくても同じ事が出来るはずです。問題になるとしたら、共通規格である Bluetooth を使っておきながら、自社専用品のイヤフォンマイクしか使えないというよくわからない事をする可能性がある事です。

さて、当然 VX-8 はレシーバではなく、無線機ですから、送信賀できなければ意味がありません。果たして送信は、Bluetooth を通じてちゃんとできるのでしょうか。純正オプションを使わないといけないというのは論外ですので、汎用のハンズフリーセットで使える事が大前提です。イヤフォンの使用感など、社外品が使える事はとても重要です。昨今はカナル型のイヤフォンはかなり了解度を上げる上、音楽を聴くときの音質もかなり良いので、これを使えなければ、事実上意味がありません。

一般の携帯電話用のハンズフリーセットが使えるのは、全二重通信の携帯電話と、単信式のアマチュア無線機という違いがあるので、操作は異なってくると思います。例えば、着信ボタンを押すと PTT ON、もう一度押すと PTT OFF、上下キーで音量、左右キーで周波数(またはメモリNo)アップダウン、という風に割り当てられる必要があります。

これは何も難しくない上に単純な事ですが、バーテックススタンダードの開発者がよく考えず 「携帯電話とは仕組みが違うから専用オプションだけしか使えないようにしよう」 なんて思ってしまっていたら、おしまいです。マイクコネクタすら統一できなかった業界に、共通規格という物はとても不慣れでしょうから、Bluetooth という共通規格を使う上でも、何でもかんでも独自でインプリしてしまう可能性は大いにあり、危険です。

ただし 「PTT だけ操作する別のワイヤレスユニットをリンクさせる」 というやり方なら OK です。何も難しい事が無いわけですから杞憂に終わり、バーテックススタンダードはあっさり汎用ハンズフリーセットが使えるようにして当たり前の製品を出してくるかもしれません。そうしたら、笑い事で済まされますが、そうでない可能性も充分にあるので警戒が必要です。専用品しか使えないのであれば、Bluetooth は何の役にも立ちません。

また、VX-8 の一番の魅力は、位置情報システムのアナログを搭載してくる事です。なぜ今時アナログなのかは理解に苦しみますが、デジタル(D-STAR)の方はライバル ICOM さんのお庭ですし、デジタル経由の位置情報システムはまだ未成熟なので、アナログにしておくのが無難な判断かもしれません。

この位置情報システムは、2m の周波数から行われます。VX-8 は二波同時待ち受け・独立送受信です。つまり、430と2mをセットし、430メインを受信中に、2m側にうつって送信をする事も可能です。つまり、2m で位置情報を発信しながら、430 のメインをワッチしたり、430 で通信をする事が出来ます。VxVや UxUも搭載してるでしょうから、送信中にはサブバンドの受信が中断される事を我慢すれば、両方が 2m での送信も可能です。

ただし、これが位置情報システムとしているときに動くかが心配です。サブバンドに位置情報を自動送信するように設定していて、メインで 430 をセットした場合、メインを操作中に、位置情報が関係なく動作して、送信受信を行ってくれるのか、という点が心配です。位置情報のある側(サブバンド)をアクティブ(操作したりPTT押したときに送信される)側にしておかないと位置情報が動作しないようでは使い物になりません。

VX-8 は VX-3 と同じように、さらに無線バンドと別に FM ラジオが聴けるようになってるようです。つまり、VX-3 でやったように、ラジオを聴きながら、無線バンドに信号が入ったら無線バンドに自動的に切り替わり、途切れたらまたラジオに戻る、という動作ができる可能性が高いです。というか、出来なかったら悲しいです。

これは、私の使い方として、VX-3 を踏襲して、FM ラジオを聴きながら、鉄道無線で交信があったときにはそちらに自動的に切り替わりワッチできる、という使い方ができる、という事になります。ただし違うのは、これが Bluetooth 上でもちゃんと行えるのか、という事、そして、位置情報をサブバンド側で動作させている状態で出来るのか、というのが心配です。

これができれば

  • FMラジオを聞きながら
  • メインバンドの鉄道無線が入ったときにはそちらに自動で切り替わり
  • サブバンドのアナログの位置情報システムは常に発信している
  • 携帯電話に着信があれば、SONY の Bluetooth ユニットがそれを割り込みで知らせて着信/通話できる

という使い方が出来ます。もちろん、鉄道無線の代わりに 430 メインをセットして、Bluetooth の着信ボタンで送信/受信ができ、アマチュア無線機としてちゃんと使える事が必要です。

ありがちな罠としては

  • FM ラジオを聴きながら鉄道無線(430メイン)の割り込みを入れる機能が位置情報のシステムを動かしてると機能しない
  • FM ラジオを聴きながら鉄道無線(430メイン)の割り込みを入れる機能が Bluetooth だと機能しない
  • アナログの位置情報システムの通信音も音声として流れてくる
  • 位置情報システム側をアクティブにしておかないと、位置情報の送信が行われない
  • 位置情報システム側をアクティブにしておかないと、位置情報の受信が行われない
  • そもそも専用の Bluetooth デバイス以外つなげれない
  • GPS マイクや GPS アンテナをつなげるとイヤフォンやマイクがつなげられない(ID-92と同様の設計ミス)

などの設計ミス問題が考えられます。これらのうち一つでも当てはまったら、VX-8 の存在価値が大幅に減少します。どれも難しい事ではないので、設計時に気をつければいいだけの話ですが、設計をする人がどこまで現実の運用を頭に入れてデザインできるか、センスが問われます。そのセンス次第では、これらのどれか、または最悪、全部があてはまって、悲しいデバイスになります。

これは余談になりますが、もし GPS のアンテナも Bluetooth で接続が出来たら、これはすてきな事です。純正は ID-82 と同様マイクコネクタに有線で接続するようですが、社外品では、Bluetooth でつながる GPS アンテナが市販されています。もちろん、Bluetooth をサポートしてる物であれば、メーカーを問わずつながります。しかも、別に 「Bluetooth GPS ユニット」 というプロファイル(通信規格)があるわけではなく、単純にシリアルポートプロファイルで、シリアルポート同様にGPS情報の文字列を送ってくるだけです。

つまり、VX-8 側が Bluetooth シリアルポートプロファイルをサポートしていて、そこから来るデータを GPS の座標情報として解釈してくれればいいだけです。技術的には難易度ゼロですが、先述の話題と同様、開発者がデザイン段階で思いつかなければ実装されないわけですから、センスが問われます。もし、これが実現できる設計だったら、バースタさんの開発チームをみなおしますw

無事購入できたら、アナログの位置情報システム(APRS)を使うためには 2m の免許を申請しないといけません。2m は特に魅力を感じず運用するつもりが無かったので、当然、私は 2m のバンドは申請しておらず免許されていません。VX-8 で初の 2m の免許をおろしてもらいます。技適でしょうから、電波りようこちゃんのお世話になろうと思います。

そんなわけで、前評判では、そのそれぞれの機能の面白さで注目を集めていますが、実際にそれらの機能を組み合わせて運用をするときに、どれくらいまともに動作するのか、という事が問題なわけです。くれぐれも、列挙したような失敗が無い事を祈るばかりです。のちのち、このブログで、続報か、買ったレビューを書く事になるでしょうが、その時、記事内容が「買ってよかった」「最高!」の言葉で満たされている事を祈ってやみません。

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コメント

通りすがったのでちょっとだけ持ってる情報を・・・

bluetoothのユニットですがFTM-10シリーズと同じものを使うようです。
http://www.standard-comm.co.jp/amateur_index/ftm10/op_ftm10.html
BU-1
バイク用に使ってる人が多いのでバイク用ユニットの情報がメインですが
検証結果を見る限り標準規格と見て問題ないと思いますよ。

投稿: よろづ屋 | 2008年8月17日 (日) 05時39分

VX-8 ニュースリリース/株式会社スタンダード

ついに,公式サイトでリリース情報が発表されましたね.6万円ぐらいというのは妥当な価格でしょう.ただ,GPSオプションを付けると,値段がどんどん上がって行ってしまうところがあれですが.
ネットでの評判を見て買うかどうか決めようかなと,そういう風に思っております.

投稿: unusualdays | 2008年8月25日 (月) 01時33分

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